灰と色

 

月をすくって水に濡れた手
すぐ握り潰したら
僕だけのモノになった
 
低い唸り声 電柱に繋がれて
すぐ目を逸らしたが
慌ててこぼした 僕だけの…
 
溜め息で知る風の行方
 
降り出した雨 それだけで何故
胸が躍りだすんだろ
頬に悲しみ 掌に無邪気
今は憂いを隠して
 
星を作って泥のついた手
両手出してごらんよ
欲しがっていただろ
 
醜い手だね 綺麗な指して
すぐ握り潰したら
僕だけのモノになった
 
容易く壊れるものなど
欲しかったものと違うよ
あの月も星もそう
君の目を奪った美しさがいい
 
降り出した雨 見上げていたね
次は何を見つけたの
頬に悲しみ 掌に無邪気
今は憂いを隠して
喜びを前にした
その瞳の中に
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